2023/06/16
日に日に山の緑が濃くなっていると感じていたら、 いつの間にかエゾハルゼミの大合唱が聞こえてくる。 太陽の日差しはもう夏の力強さだ。 もう15年程も前の6月下旬、父親とニペソツ山に登った。 ニペソツは東大雪の一角を担う標高2013メートルの秀峰、 父親にとってはかれこれ数十年来の、僕にとってもその影響を受けてだろうか、...

2023/04/30
桜前線が北海道を彩り始め、春の訪れを実感する。 暖かな南風に吹かれていると、十年間程前に訪ねた奄美大島のことがふと思い浮かんできた。 とりわけ、北の風景、生きものに惹かれてこれまでやってきたつもりだったが、初めて訪れた南の島もとても印象深いものだった。...

2023/03/20
昨年末、YouTube上に『デジタル絵本舎』というチャンネル名で動画投稿を始めた。 普段はアナログの絵が優先になるので、定期的に、頻繁に、とはいかないものの、 ゆっくりと創作絵本という形で作っていきたいと思う。 絵本との関わりが深まったのは僕自身は大人になってからのことだ。 絵を生業としながら歩む中で、これまでに様々な人のお世話になった。...

2023/01/13
冬至を過ぎ、新たな年を迎え、気持ちは春へと向かっている。 本格的な冬はまだまだこれからというのに、少し可笑しな話かもしれない。 けれども、これから日増しに日照時間が延び、昼が長くなっていくという事実が、 僕たちの生きものとしての本能に直接的に働きかけてくるのだろう。 立春、早春、光の春。 そんな"兆し"を感じさせる言葉が好きだ。...

2022/12/30
日本画家東山魁夷が描いた「年暮る」という作品がある。 静かな雪が舞う、年越しの夜の古い京都の街並みを描いた作品だ。 街並みに人々の姿はないが、家々から伝わる“暮らし”の気配が温かい。 人を描かずして人間の温もりを表現した、この静かな絵が僕は好きだ。 今年も、いよいよ終わる。 今年も、やはりいろいろなことがあった。...

2022/12/24
絵本作家C・V・オールズバーグの作品に「The Polar Express」という著作がある。 北極にあるというサンタクロースの街へ向かう列車と、その乗客の子供たちのファンタジーなのだが、 子供時代に思い描いた淡い夢や冒険心、純粋な心を思い出させてくれるような絵本だ。 以前に、ある特集番組でオールズバーグの制作風景を追っていたが、...

2022/12/16
まるで深海にでも迷い込んだような静けさ。 初雪が降り積もった朝には、いつもそんな静寂を布団の中で味わった。 子供の頃、初雪は大きな“イベント”だった。 なぜだろう、子供たちに雪は“響く”のだ。 雪だるまにかまくら作り、そり遊びに雪合戦。日が暮れるのを惜しむかのように雪まみれになっては遊んだ。 それがどうだろう、...

2022/12/09
「自分がすることを愛せ。子供の頃、映写室を愛したように」 シチリア島・ジャンカルドの駅からローマへと旅立つトトを、アルフレードはそう語りかけ送り出す。 映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の中のワンシーンなのだが、 この映画の有名なオープニング曲を聴く度に、そのセリフを思い出す。...

2022/12/03
涙も枯れる、というが、人生には本当にそんな瞬間もあるように思う。 気持ちが追いつかない、心が止まる、とでもいおうか。 そんな状況に陥った時に、願わくばそうなる前に、“その人”の周りにその想いを分かち合える環境があればいいのだが。 それが例えどんなに小さな“場所”だとしても。 音楽のチカラ。...

2022/11/27
「負けない事・投げださない事・逃げ出さない事・信じ抜く事、駄目になりそうな時、それが一番大事」  それが大事 大事MANブラザーズバンド 僕と同世代以上ならばこの歌詞を覚えている方も多いかもしれない。 僕が21歳で会社を辞めることになった時、社内で唯一親身になってくれた上司がカラオケでよく歌っていたことを思い出す。...

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