「負けない事・投げださない事・逃げ出さない事・信じ抜く事、駄目になりそうな時、それが一番大事」
それが大事 大事MANブラザーズバンド
僕と同世代以上ならばこの歌詞を覚えている方も多いかもしれない。
僕が21歳で会社を辞めることになった時、社内で唯一親身になってくれた上司がカラオケでよく歌っていたことを思い出す。
仕事終わりに焼き鳥屋に連れ出してくれ、僕の気持ちを理解した上で思い留まるよう説得さえしてくれた。
当時の僕には最早社内のどこにも居場所は残っておらず、結局会社を去る以外に手段はなかったのだが。
しかしながら、
僕は結局のところ運が良く、恵まれていたのだと今になって思うことがある。
出会いと別れを繰り返す中で、常に僕に対して親切で優しい人たちに出会えていたのだから。
このブログを始めようと思ったきっかけはある事件報道だった。
自分に何が出来るといる訳でもないのだが、この社会の行方というものが、次の世代の向かう先がどうしても気になってしまう。
スマートさやスピーディーさだけが求められる時代。時折それを痛切に感じてしまう。
なぜそれ程までに“急ぐ”のだろう。
人生や生命の本質とは、もっと、スローで、泥臭いもののはずなのに。
この豊かなはずの社会に於いて、なぜこれ程までに希望が見出だせないのだろう。
人生はいつから“消化試合”になってしまったのだろうか。
“スマート”や“スピード”は決して悪ではない。
しかしながら、そこへ達するには“経験”と“地力”が必要になるだろう。
そこへと導くものたちがあまりに少ない世の中に思えてしまう。
自動車に乗る前に、歩くことを覚えていなければ人は目的地に辿り着くことが出来ないだろうと、僕には思える。
「負けない事・投げださない事・逃げ出さない事・信じ抜く事、駄目になりそうな時、それが一番大事」
今、この歌の歌詞がより深いものに響いてくる。
それは、泥臭くも地道に歩むものたちへのエールのように。