変わるもの、変わらぬもの

昨年末、YouTube上に『デジタル絵本舎』というチャンネル名で動画投稿を始めた。

普段はアナログの絵が優先になるので、定期的に、頻繁に、とはいかないものの、

ゆっくりと創作絵本という形で作っていきたいと思う。

 

絵本との関わりが深まったのは僕自身は大人になってからのことだ。

絵を生業としながら歩む中で、これまでに様々な人のお世話になった。

絵本の魅力を僕に伝えてくれたのも、そんな"恩師"の中の一人だった。

 

仕事への取り組み、生き方、そして絵本への想い。本当にたくさんのことを学ばせてもらったと思う。

そんな出会いが僕の中の世界を広げ、"表現"についても改めて考えさせてくれたように思う。

 

絵本についてはいつか実現させてみたいと考えていたのだが、

当時、幾つかの出版社を当たっても結局出版に至る機会は得られなかった。

その後に児童書や学習図鑑の仕事に関わる間に、いつしか自分自身の中で"満足"してしまっていたのかもしれない。

 

そして、いつの間にか時代が変わり、YouTubeやデジタルアートというものがより身近となった。

そんなある日、ふと思い出したかのように浮かんできたのが、この度のような個人で完結出来る自由な"表現"だった。

子供向けから、大人向けまで、幾つかの異なるスタイルの"絵本"をこれからゆっくりと作って行けたらと思う。

絵に絵本、アナログにデジタル、カテゴライズにとらわれずに、自分自身が本当に作りたいものとはなんだろう。

そんなことを時々考える。

 

画家アンドリュー・ワイエスが言っている。「描き方にルールを作ってはいけない、ルールにしばられず、自由でなくてはいけない」

 

この言葉に深い共感を覚えながら、僕自身はこれからも形にとらわれないスタイルで"普遍性"を求めて行けたらと思う。

 

変わっていくものと、変わらないもの。

そのバランスの中心にこそ、僕が究極的に作りたいものの本質があるように思っている。