涙も枯れる、というが、人生には本当にそんな瞬間もあるように思う。
気持ちが追いつかない、心が止まる、とでもいおうか。
そんな状況に陥った時に、願わくばそうなる前に、“その人”の周りにその想いを分かち合える環境があればいいのだが。
それが例えどんなに小さな“場所”だとしても。
音楽のチカラ。
僕自身は何度も何度もその力に励まされ、何とか歩みを止めずにくることが出来たように思っている。
馬場俊英さんの“スタートライン”という曲がある。
「もうダメさ これ以上は前に進めない そんな日が 誰にだってある」
という歌い出しで始まるこの曲には、あぁ、辛い思いをしているのは決して自分だけではないんだ、
そんな気持ちにさせてくれる不思議な力があるように思う。
人の心の回復には“共感”が必要不可欠だろうと感じる。
馬場さんの書いた曲には、いつもそんな“共感”と“優しさ”が溢れているように思う。
それはきっと、自らの経験から紡ぎ出された歌だけが持つ、ある“魔法”のような力なのかもしれない。
「この道の先に何か待ってるのかなんてこと わかるわけない
答えがあっても無くても YesでもNoでも 決めた道を行くしかないさ あるだろ? そんな時」
やはりそれを経験した者にしか書けない、解らない歌詞だと思う。
答えがあるから進むのではなく、勇気を持って進んでみたからこその、その先で初めて“出逢う”答えもあるだろう。
晴れの日もあれば、風や雨、時には雪だって降るだろう。
誰しもが、そんな道を今日も歩いている。